「チャン・ゴンジェ監督は、是枝裕和、ホン・サンスにつながる
アジアの期待の星だ!」 ― LabuzaMovies.com

リチャード・リンクレイターの「恋人までの距離」を彷彿させる、
路地で慎ましく花咲くロマンス
― ロッテルダム国際映画祭

Introduction

醒めない夢を見るために、映画を撮り続けよう――。

世界中が絶賛する韓国インディーズの雄が贈る、
映画についてのリトル・ナイト・ファンタジア

第19回釜山国際映画祭・監督組合賞をはじめ、ロッテルダム国際映画祭などに選出され、第二のホン・サンス、韓国の是枝裕和として世界から注目を集める俊英チャン・ゴンジェの長編第三作は、河瀬直美プロデュースのもと奈良県で撮影された、映画を巡るファンタジー。韓国では公開1週間で1万人、公開1ヵ月で3万人を超える観客を動員し、インディーズ映画としては異例の大ヒットを記録した。

 韓国から奈良県五條市にやってきた映画監督テフンは、助手兼通訳のミジョンと共に、観光課の職員タケダの案内で町を歩き、さまざまな人と出会い、いろいろな話を聞く。そして、花火大会の夜に不思議な夢を見て……。映画は、次回作の構想を練る映画監督の話と、若い男女の淡いラブストーリーの二部構成になっており、ふたつの世界を同じ俳優陣が演じわけている。それぞれの世界がモノクロとカラーで描きわけられている点にも注目だ。出演は、『これが私たちの終わりだ』のキム・セビョク、『イエローキッド』の岩瀬亮、『悪い血』のイム・ヒョングク、『モラトリアムたま子』の康すおん。


 監督のチャン・ゴンジェは、デビュー作『つむじ風』(2009)がバンクーバー国際映画祭グランプリ、自らの結婚生活をベースにした前作『眠れぬ夜』(2012)は全州映画祭グランプリと観客賞をダブル受賞し、香港、ロッテルダム、そして東京国際映画祭などで上映された韓国インディーズ界の雄だ。本作も香港、ロッテルダムの上映をはじめ、釜山国際映画祭・監督組合賞を受賞している。
 映画監督の夢の映画とは何か。トリュフォーの『アメリカの夜』など映画製作の舞台裏を描いた名作群に連なる、新たな傑作の誕生だ。